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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~
第2章 禁断の恋
 しばらく王からの応(いら)えはなかった。
 やがて、沈黙の中で王が静かに口を開く。
「そなたは、その好いた男に逢いたいと思ったことはないのか?」  
 明香は薄い笑みを湛えたまま、首を振る。
「私はもう二十一でございます。従兄は既に二十五、とうに妻を迎えていることでございましょう。第一、彼は私の想いなど全く知らないのですから、今更、逢いたいとか、どうしたいとか思うことはございません」
「―そうか」
 王は感情の窺えぬ声音で頷いた。
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