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眩惑のディナーショー
第10章 伯爵のお仕置き
指先が踊りパチンと音が弾ける。ベットにあった赤いクッションが宙に浮き、真紅の布切れに早変わりするとそれは愛音の上半身を覆うように巻き付いた。

「あ、やだっ…おねがいっ…ほどいてっ」

「それはできんな──…後で苑鶴が写真を撮りにくる……それまでそのままお前は放置だ──」

「うそっ…やだっ!」

愛音は立ち去るグレイの背中に叫んだ。

「いや──っ…どうせなら裸の方がまだマシよっ…」

カーテンに縛られ途方に暮れた愛音の身体が揺らりと揺れる。

真紅の布は金太郎のように上半身を飾り、真ん中にはスワロフスキーのスパンコールが大きく“金”の文字を型どる。

腰に巻き付いたピンクのカーテンは横綱の化粧回しのように回されて愛音は土俵入りさながら、乙女にはあるまじき姿で足を広げさせられていた……


グレイは去り際にもう一度振り返る。

裸の方がまし──

確かにそうだ…

グレイは揺れながら悲しい顔をする愛音を見つめてフッと笑う──

だがこれが、依頼主。
苑鶴の指示したお前への最高の仕置きだ──

存分に羞じらいを堪能するといい──

直に奴が現れる……

グレイはククッと笑う声を闇に響かせて、ゆっくりとドアを閉めていた……。



〜伯爵の恥媚なるお仕置き〜

グレイ&愛音
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