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第3章 境遇

「若、善が戻りましたがいかがなさいますか？」


ドアの前で声をかけるものの、返事がある訳もないのだが、それを知らない三浦は再度ドアをノックした。


「……若？……宗高さん？開けますよ？」


暫く返答を待ってからドアを開けると、ベッドで和穏を抱きしめながら眠る宗高に驚いた。

三浦は思わず口元に手を当てて見入った。

宗高にすがりついて寝る女は何度か見た事はあるが、それもかなりレアなケースで、女を抱いたベッドで寝ること事態を嫌がる宗高は、後始末も大変だから基本がやり捨てなのだ。
だから、宗高が抱きしめているのは始めて見たのだ。