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神様のいない世界
第11章 移住
和隠の思いとは裏腹に車は順調に進み、大きくしっかりした門構えの家に着いた。

沢山の監視カメラと数人の体格の良い黒服の男達がそこにいて、車に向かって頭を下げていた。

宗高には当たり前の光景だが、和隠はその異様な光景に体を強張らせていた。


門をくぐり大きなお屋敷の前に横付けされる。


「和隠、降りろ」


宗高は先におりて和隠に手を伸ばす。
和隠はその手に手を乗せて車から降りると、宗高に肩を抱かれた。


「緊張してんのか?震えてるぞ」


和隠は睨むように宗高を見上げると、口角を上げて笑っていた。


怖いのは当たり前。
組長さんの自宅なんだから。


文句のように言葉が浮かぶものの、口に出せないほど動揺しているのだ。普通の高校生だった和隠からすれば、今の状況は余りにも日常からかけ離れているのだから。
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