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マスター・ナオキの怪店日記
第5章 裏路地で会った男
「あ・・すいません、よく覚えていなくて。急に声をかけられたんでビックリして、それでもまじまじと顔をみたつもりなんですけどねぇ・・なんで思い出せないのかなぁ」
頭をひねって固まる尚樹と、カウンターを挟んで直立不動でいる照美の様子が目に入ったらしく、毎度さんたちとお喋りしていた信彦が二人の元へとやって来た。
「マスター、どうかしたんですか?照美、なにかマスターを困らせる様な注文でもしたのかい?」
振り返った照美の表情からも、ただのおしゃべりではない事を感じ取って、信彦が冗談を交えて少しわざとらしい笑顔を見せた。
「いえいえそうじゃないんです。照美さんにお聞きしておいて俺の方が聞きたい事が曖昧になってしまって」
尚樹は照美に話した事を繰り返し、信彦にも話した。すると照美と同じように一瞬表情を平たくした。
尚樹は感じ取った。照美も信彦も、尚樹に声をかけてきた男にもちろん心当たりはあるようだが、それ以上に何かがあるような雰囲気を匂わせていることを。まずい相手なのか、いやそれ以上にヤバい相手なのか。自分たちは紹介したつもりではないのに相手が勝手に紹介されたと言っていたのか。
頭をひねって固まる尚樹と、カウンターを挟んで直立不動でいる照美の様子が目に入ったらしく、毎度さんたちとお喋りしていた信彦が二人の元へとやって来た。
「マスター、どうかしたんですか?照美、なにかマスターを困らせる様な注文でもしたのかい?」
振り返った照美の表情からも、ただのおしゃべりではない事を感じ取って、信彦が冗談を交えて少しわざとらしい笑顔を見せた。
「いえいえそうじゃないんです。照美さんにお聞きしておいて俺の方が聞きたい事が曖昧になってしまって」
尚樹は照美に話した事を繰り返し、信彦にも話した。すると照美と同じように一瞬表情を平たくした。
尚樹は感じ取った。照美も信彦も、尚樹に声をかけてきた男にもちろん心当たりはあるようだが、それ以上に何かがあるような雰囲気を匂わせていることを。まずい相手なのか、いやそれ以上にヤバい相手なのか。自分たちは紹介したつもりではないのに相手が勝手に紹介されたと言っていたのか。