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燃える夜は苦しみの始まり(全1ページ)
第1章 本題
私はただの仕事の同僚
あなたの妻でもなければ彼女でもない
毎日顔を合わせて
他愛もないおしゃべりをして
帰ってから一人想うの
それだけの関係

だからあのときは嬉しかった
お酒を酌み交わし
普段よりたくさんの話をして
あなたを深く知ったわ
寒い寒いと言うから上着を掛けてあげて
いい匂いがすると言うからちょっと照れたりして

その日の夜は忘れない
燃えるような夜
欲望に満ちた夜
痛みと快楽の夜
香り、触れて、溺れた、甘い甘い夜
毎日思い返すわ
顔も声も香りさえも

でも今は違う
まるで絶望と虚無に苛まれているかのようよ
あの夜は一度きり
あなたには家庭がある
職場にももう来ない
あなたの記憶以外に私の居場所も跡形もない

こうなることはわかってた
だって初めてじゃないもの
いつもそう
燃える夜は苦しみの始まり
それでも私はあなたと恋がしたかった

今だってあなたの夢を見るわ
LINEを繋ぎ止めておくことに精いっぱい
この気持ちは変わるのかしら
でもきっと変わったとしても
また同じ気持ちを違う人で抱くんでしょうね

そしてそれが私の人生なんでしょう
色々な人に恋をして
色々な人と夜を過ごし
その度に苦しんで胸が張り裂けそうになる
逃げられない
運命ってやつ
この星のもとに生まれてしまった
恨めしいと何度思ったことか

本当は性に寛容な世の中であってほしかったし
そんな世の中にしたいけど

どうすればいいのかわからなくて
言葉にしてみたの
受け入れたくない運命との付き合い方

メソメソしてても意味がないわ
あなたとはもう終わってしまったからね
受け入れなさい
前を見なさい
ほら、次のイケメンがやってくる
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