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闇に蠢くツチノコ
第3章 エピローグ
2035年 春。

僕らは今、地元警察署の前にいる。
「遺書はあったんだよな?」
と最近現場マネジャーに昇進したカツこと勝田智弘。とりあえず迷ならぬ名警部にしておこう。
「あぁ、下手クソな字でな。ただ偽造も出来るさ。あの特徴的な文字なら俺にも書ける」
そして名探偵を演じるのは、今ではテレビドラマのバイプレイヤー!シュンこと俳優品川駿。だからかな?腕を組む姿がやたら様になっている。
「密室だっけ?」
と僕は皆川涼介。変わらず狂言回しでいい。
父親から継いだ工務店は今や風前の灯、、だけどね。
「密室トリックなんて常套手段さ。首吊り自殺なら偽装も出来る」
名探偵は鼻で笑う。
「バツ三だよね。子供は八人もいる。養育費も滞納して、今は孤独な一人暮らし」
僕はありのままの真実を並べた。
「つまり寂しいってか?ますますらしくねぇな」
名警部も鼻で笑う。
「会社を二度起こし、二度とも潰しているな。借金も莫大だ。最近は現実逃避からか変なクスリにも手を出していたか、、もう無茶苦茶だが、、」
名探偵は呆れるように笑いこう結論付けた。
「間違いないな。こんな事じゃあ、ケイタ、、佐々木慶太は自殺なんかしない」
「あぁ、間違いない!」
と僕。名警部は少々不満顔だけど。

何も本気で言っている訳じゃない。
別にあの時のあの言葉を信じている訳でもない。
ただ、どうしてあの佐々木慶太が自殺したのか僕らは本当の理由が知りたかった。
あの不死身のケイタが自殺するほど、本当に世知辛い世の中になったのだろうか?

僕らはもっと真相を、いや深層を知るべきだと思う。

「さぁ、、行こうか」

ふと今更ながら僕は思うんだ。
ひょっとしたらツチノコは人の心の闇に潜んでいるのかも知れない、とね。
いつの間にか大人になって様々な仕組みやルールを知り忘れ去られた遊び心が産み出した空想の産物、それこそ文字通りの化け物なんじゃないかな?

だからさ、その前にもう少しだけ、、もう少しだけ、、その目を凝らして自らの暗闇に目を凝らしてみない?

ねぇ?ツチノコはいる?
ん?綺麗事?いいじゃない!
所詮は世の中全て

誰かの作り話なんだから。





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