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幼なじみのフヒト君
第2章 夜のお散歩
わたしは体を少し離すと不日人の頬を持って、顔を上げさせた。
「不日人…」
指で涙を拭う。
子犬の様に怯えた目で私を見ている。
私はそのまま不日人に口付けた。
「私はそのままの不日人が好きよ…」
「舞ちゃん…」
不日人の目から大粒の涙が溢れだしてくる。
貪るように口づけを返してきたが、彼の悲しみが唇から伝わってきた。
その日のキスは、いつもの甘い口づけではなく、悲しい切ないキスだった。
家に戻った私達は、冷えた体を暖めあうように手を繋いで一緒に眠った。
いや、わたしは眠れなかった。
なんだろう。
勢いで告白してしまった。
隣ですやすやと寝息を立てる不日人を起こさないよう、一人で悶絶していた。
―は、恥ずかしい…
起きたらどんな顔をすればいいの?
きゃー、朝が来るのが怖い~