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幼なじみのフヒト君
第1章 フヒト

「目を開けないでね」
頷いて目を閉じる。
瞼越しの光が少し明るくなったかと思うと、髪を撫でられた。
驚いてビクッとなったけど、そのままじっとしていた。
「舞ちゃん。嫌なら直ぐに言って…」
そう言うと、私の唇を指で撫でてきた。
わっわっ、な、なに!?
私の心臓は早鐘を打っている。
唇を少し分け入って口のなかに指が入ってきた。
やんわりて口内を撫でてくる。
ドキドキして頬に熱が集まってきた。
顎を持って少し上を向かされる。そうすると先ほどより口が開いた。
涎が垂れそうになる。
垂れないように不日人の指を吸う。
ジュル…
チュパ…
「…いつもの舞ちゃんじゃ、ないみたい…」
少し掠れたような不日人の声が聞こえた。
瞼越しに見える光が遮られたかと思うと、口の端に柔らかい何かが触れた。
不日人の匂いがする。
その柔らかいものが、不日人の唇だということに気づくのに時間はかからなかった。
指を舐めるように舌が私の口内に入ってくる。
わたし…いま、不日人とキスしてる?
じわじわと自分の状況に気づき、全身が心臓になったんじゃないかと思うぐらいドキドキしていた。

