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愛してるなんていらない
第11章 親子
『ほら、咲の好きな唐揚げ!』
『わ~おいしそぉ~!食べていー?』
『火傷しないようにね。』
そういってニコッと微笑んで、テーブルに肘をつくと頬張る私をずっと見つめる。
『咲、おいしい?』
『うん!』
『ママのこと好き?』
『うん!』
必死に唐揚げを食べながら大きく頷いた。
『あのね。パパ..もう帰ってこないの....』
『えー?お仕事ー?』
食べる手を止めて聞くと、母は微笑む。
その目にどんどん涙がたまっていった。
そして うん、と答えた。
『パパね、遠ーい国まで仕事で行っちゃった。』
『そっかぁ..もう会えないのかぁ..』
私は悲しくてポトッと皿に唐揚げを落とした。