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愛してるなんていらない
第11章 親子
「仕方ないよ。まぁそれで歩いてあそこまで行ったのね。」
「あの長い道を..」
「お母さん、足腰は強いから。」
「....」
「....謝られた。」
「え?」
「ごめんって..あんなこと言わせてごめんって。」
「あんなこと....あぁ..」
叔父は母にきいて知っていたらしかった。
「お前..けど、咲ってわかったのか?」
「ううん。5歳の私と今の私が混じってたと思う。」
「....」
「アイツのせいでずっと我慢していたものが壊れて、お母さんの精神も壊れた...でもきっと、私があんなこと言ったから、自分を責めてたんだと思う。」
はぁ..とソファーにもたれた。
「咲は悪くない。美智子もお前も大変だったんだ。だから....」
「大丈夫、わかってるから。」
私が遮ると叔父は黙った。
「ねぇ。」
「ん?」
「アイツ、どうしてんのかな。」
「..知らない。」
「....」
私はそれ以上聞かなかった。
ちょうど百合が入ってきて、その話はそれっきりになった。