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愛してるなんていらない
第11章 親子
高校時代、私の少しの間使っていた部屋に泊まって、朝帰ることになった。
「じゃあしんちゃん、お母さん頼むね。」
「おう。勉強頑張れよ!まぁ就職は気にすんな、俺の会社でこき使ってやるからな。」
「よろしく頼みます。」
私はわざと深々と頭を下げると、叔父と笑いあった。
「まぁまた来るね。お父さんの墓参りもあるし。」
「あぁそうだな。その時は百合ちゃんもおいで。」
「はい!」
すっかり百合を気に入った叔父は鼻の下を伸ばしていった。
「60前のおじさんが..」
ボソッというと、何だよ悪いか、とムッとする。
その時、「あら、どちら様?」と階段をふらっと下りてきた母が、玄関にいる私たちに向かって言った。