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第1章 誰？

「....」
梅雨明けも目前の朝。

じっとり汗ばんだ身体。

そしてその私の身体を
抱えて寝息を立てるーー

（誰？）

男がいた。

長い睫に 染めていない黒髪。
ゆっくりと静かに吐き出す息が
私の前髪を優しく揺らす。

「....」
身動きが取れず、じっと見つめていると 今になって、あることに気づいた。

「なんでコイツだけ服着てんの..？」

男はきちんと服を着ていた。
対して私は何も纏っていなかったのだ。