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愛してるなんていらない
第19章 繋想

1時間ほどたってザザッと砂を蹴る足音が聞こえた。

音はトイレに向かってくる。

私は怖くなって腕を抱え込んだ。

すると

「咲!どこ!」

創の声が聞こえた。

「..そ..お..ここ..」

バッと顔をあげる。

座ったまま鍵をあけ扉を開けると創が立っていた。

「さ....!?」

私のあられもない姿を見て目を見開く。

「お前..何だよそれ...!」

「....」

私が黙っていると、創が入ってきた。

しゃがみこんで私と目線を合わす。

手を伸ばして頬に触れようとして、私は思わずビクッとした。

「咲....」

ゆっくり手を引っ込めていく。

「やだ..違うの....汚いから...」

ガタガタ震えながら必死に言うと、創はぐっと唇を噛んだ。

「....誰だよこんなことした奴..」

俯くと、拳を震わせて低い声で言った。

「わかん..ない....ねぇ..創..」

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