この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛してるなんていらない
第4章 用無
「ごめんね、じゃあね」
大して心のこもってない謝罪の言葉に 無言で頷いた。
キィー と玄関の扉が開く音がしてすぐバタンと閉まった。
(終われば用なし....か)
自虐的に笑い、タオルケットに顔をうずめた。
静まり返る部屋の中、私はぼぅっと座ったまま、溢れ出す涙を止められなかった。
悲しくない。ただ、寂しい。
「今日は、一人で寝ないとダメなの..」
ふいに昼間の百合を思い出した。
恐れるあまり自分で選んだ道。
けど、大きな手で 優しく包みこんでくれる温かさが 恋しかった。