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第6章 自慰

ー駅前で待ってて。丁度俺も終わったー

電話を終え、駅前で待っていると、すぐに目の前に黒い車が止まった。

ウィーン...
助手席側に身体を乗り出し、開いた窓から彼の顔が私を見上げる。

「乗って。」

言われるまま助手席に乗り込むと、いい匂いがした。

（香水..大人の男って感じだな..）

懐かしい気持ちと、
少しの嫌悪感が沸きあがる。

そんなことはお構いなしに、車が動き出した。

「ご飯食べてないよね。」

「はい。」

「んじゃ、どっか近く寄るから。」

そういって交差点を曲がる。

私は緊張して何を話していいかわからず、黙っていた。

特に会話もなく車は近くの駐車場に入った。