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愛してるなんていらない
第9章 過去
「今日は会議がなかったんだ。それで咲ちゃんいるかなーって思って来てみた。」
「そうだったんだ。」
私はその言葉にちょっと嬉しくなる。
「あれから仕事忙しくてさ。何回か連絡しようと思ったんだけどなかなか時間が...
あ、すみません。冷や2つ。 」
「....な、なんかごめんなさいこんな所で...」
喧騒の中、洋一さんに謝った。
「いや全然。俺もさ、居酒屋とかの方が気楽でいいんだよな。車だから飲めないけど。あ、前ワイン飲んじゃったか。」
そういって優しく笑った。
私たちはあの日出会った居酒屋にいた。
今回は私が奢るから、と何度も念押しして連れて来られたところがここだった。
(気使わせたな~..)
焼き鳥を食べながら申し訳なく思った。
「あ、そういえばさ。雄介と祐子ちゃんなんだけど....」
「?」
「夏祭りが7月の終わりにあるの知ってる?」
「花火大会の....」
「それ。俺行ったことないから分かんないけど、二人がいかないかって。」
「良いな。綺麗らしいですよ。楽しんで来てください。」
「..いや、咲ちゃん..行きたくない?」
「え?」