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第9章 過去

首を傾げる洋一を見て、私も首を傾げた。
（何故....そんなことに....）

「い、いえ、私、そんな、人の好きな人は取る趣味ないから!」

思わず小さく叫ぶ。

彼女いる奴と寝たじゃん私、と心の中でツッこむ。それくらい動揺した。

「人の..?」

洋一は眉間にしわを寄せ、グッと黙りこんだ。

「..あぁ祐子ちゃんか!」

「え、あ、それもそうだけど....」

（そんなに隠さなくても....いや、もしかたら雄介さんじゃないのかな..）

「じゃあ誰?」

「......よ、洋一さん..」

「なに?」

「......」

「......え、俺!?」