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愛してるなんていらない
第9章 過去
「は、はにふんほ(何すんの)!!」
強気に出ながら、顔がどんどん熱くなるのが分かる。
(こんなのいつもなら何とも思わないのに..)
「こっち向かないし無視するから。」
そう言って手を離すと、ハンドルを握り、発進させた。
「痛い....」
そして頬をさする私をチラッと見て微笑む。
「咲ちゃんって、そういう怒った顔もするんだ。」
「?」
訳が分からなくて、戸惑った。
「なんとなく、大人びたイメージだったから....なんてゆうか..」
「冷めてる?よく言われるけど。」
私が言葉を引き継ぐと、ちょっと首を傾げた。
「いや....違うな。..孤独感が出てるってゆうか...ごめん、誉め言葉じゃないか。」
「ううん。」
(誉め言葉じゃなくても..嬉しい。)
私を見ようとしてくれることが嬉しかった。