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愛してるなんていらない
第9章 過去
少し沈黙が訪れる。
洋一さんが話を変える様に明るくいった。
「..そういえばさ、咲ちゃん就職は?」
「叔父が会社経営してるの。そこで働くつもり。」
「へ~母親方?」
「うん。父は五歳の時死んだから。」
「..」
明らかに、またやってしまった..と暗い顔をする彼に焦った。
「あ、気にしないで!全然覚えてないから、辛さもないの。」
「そう。」
「洋一さんは?ご両親。」
「健在だよ。田舎で農家してる。」
「いいな~楽しそう。」
「端から見ればね。手伝わされる方が参るよ。」
肩をすくめる彼を見て、思わず笑った。