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人妻縄人形
第2章 囚われ、淫ら、
 一樹の言葉を聞きながら、静香の中に恐れと期待が奇妙に同居しているのを、静香自身が不思議に感じていた。


「あの、来週、もう一度帰ってらっしゃるんで、、、ん、、んふ、、、んぁ、、ん、、」


 静香の言葉は途中で消え、唇を吸いあい求めあった。


「すまんな、美味しそうだったから、ふふ。」


 唇が離れ、照れ臭そうに一樹が言うと、


「いぇ、嬉しかったです。でも、質問の途中にずるいです。」


 はにかみながら、少し悔しかったのか静香が、唇を噛んだ。


「あぁ、質問な。来週、もう一度帰ってくるけど?それが?」


 静香の瞳を見つめながら、腰に手を回し身体を密着させた。


「あの、九州へ帰られるのかなって?」


 甘えるような、探るような目線で聞いていた。


「うん、帰らないよ。全ては片付けたからね。まあ、帰るかも知れないがな?ふふ、その時に、一緒に行くかい、静香?」


「えっ、私も!あの、、行きます。その時は、一緒に。」


(ばかっ!さっき断ったのに、なんで?わからない、、でも、、来週なら、、)


 あわてて口を閉じたが、間に合わなかった。


「うん、なら、来週帰ってきたら、九州に一緒に行こう。でも、明日は断ったのに来週はなぜだい?」


 一樹は、意地悪く聞いた。
 少しためらいながら、


「明日は、急です。でも私は、社長の個人秘書ですし、社長はお義父さまだから、秘書としては、社長を放っておくわけにはいきませんから。」


 静香は、一気にそれだけを言うと、答えをまつように一樹を見つめた。


「悪い娘やな。けど、秘書としてはOKやね。いいだろう、正樹には俺から説明するよ。それでいいね。」


「えぇ、でも、私も正樹さんに話してみます。それから、お義父さまに説明してもらえば。」


(あぁ、ばかっ!正樹さんにどう説明すんの?お義父さまが社長だって知らないし。)


 静香の答えを聞きながら、


(ううん、この娘は正直に言っちゃうのかな?いや、こいつは知恵をつけてあげなきゃならんな。)


 一樹は、一瞬目をつぶり、


「静香、正樹に話すなら、私の会社に就職が決まって、来週から研修に参加しなきゃならないって、言うんだよ。で、俺が研修の指導をするって説明すればいいよ。」


 えっ、とおどろき、静香は一樹を見つめた。
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