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人妻縄人形
第2章 囚われ、淫ら、
 小屋を出て静香は改めて全体を見回して、このフロアー全体の奇妙さと、スケールの大きさを感じ、一樹の不気味さを感じていた。


(シャワー浴びなきゃ。でも、ここをこんなにして、お義父さまはなにを考えてるの?個人秘書って?)


 さまざまな疑惑が静香の心に黒雲のように沸き上がった。


(いまさら、だめよ。お義父さまに言ったでしょ。ばかなんだから、あなたは、あの人の奴隷なのよ。自分で言ったんだからね!そう、私は、そうよね。だったら、御主人様のことを信用しなきゃ?ばかっ、ホントにアンタは変態よ!)


 考えながら、迷いながら、静香は熱いシャワー全身に浴びた。


(やっぱ、迷ってるか?まっ仕方ないわな。まだ、理性が勝ってるみたいだな。まぁ、簡単に落ちないから面白いんだがな。ふふふ。)


 浴槽の中をゆっくり泳ぐように身体を浮かしながら、ぼんやりと考えていた。


(由布子には悪い事をしたかな?しかし、ふられたのはこっちだからな。というより、あいつの変化を見逃してたのはうかつだったな。まあ、バカの矢吹が二度とドジを踏まなきゃ、なんとか報いてやれるがな。まあ、木谷と相談だな。)


 チャプッと人が入る音が聞こえ、湯気の向こうに白い肌が輝いて見えた。


「待ってたよ、静香。おいで、これからの予定を話しておかなきゃな。」


「はい、お義父さま。でも、きょうの予定はさっきの通りじゃないんですか?」


 少し警戒するように言う静香に、近づきながら、


「あぁ、きょうの予定、ほぼ変わらないよ。これからの話しだよ、静香。明日、俺は出張先に帰るんだが、お前を連れて行きたいんだ。あっちで、お前の気持ちの整理をつけさせたいと思ってな。」


 一樹の言葉に一瞬、心が動いたが、


「えっ、あっちって?九州ですか?でも、正樹さんがどういうか?聞いてみないと、お返事、できません。それに、私、自分の気持ちがわからないんです。だから、、。」


 キッとにらむ目に怒りにも似た光が宿り、一樹の心を見透かすようにも思えた。
 静香の肩に手を置き、


「そうかぁ、まだ無理だよな。仕方ないね。急がなくていいよ。ゆっくり考えなさいな。まだ時間はある。それに、お前は俺の個人秘書だから、来週には、もう一度帰ってくるから、それからでも構わんさ。」
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