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海鳴り
第7章 満ち潮
相沢と結ばれてから、律子は今までと変わらない振りをして過ごした。
けれどもその『振り』は下手くそで、律子はつい、武から相沢の様子を聞き出そうとしてハッとしたり、ぼんやりと空に浮かぶ雲を眺めたりしていた。
提出される音読カードの片隅に、何か暗号めいたものが書かれていないかと勝手に期待して、勝手に失望した。
そんな情けない自分に何度も活を入れ、子供達の前ではなんとしても教師であろうと努力していた。
あの日から、律子の躰は相沢を欲しがって疼いた。
相沢を想うとすぐに下着に染みができ、律子自身がその変化に戸惑った。
電話して声が聞きたい、遠くからでもあの人を見つめたい、あの人の視界に入っていたい…。
軽率な行動は必ず噂になり、すぐに広まる。
律子は相沢の邪魔になりたくはなかった。
約束のない電話を待ち侘び、ドアチャイムが鳴るのを待ち続けた。
けれどもその『振り』は下手くそで、律子はつい、武から相沢の様子を聞き出そうとしてハッとしたり、ぼんやりと空に浮かぶ雲を眺めたりしていた。
提出される音読カードの片隅に、何か暗号めいたものが書かれていないかと勝手に期待して、勝手に失望した。
そんな情けない自分に何度も活を入れ、子供達の前ではなんとしても教師であろうと努力していた。
あの日から、律子の躰は相沢を欲しがって疼いた。
相沢を想うとすぐに下着に染みができ、律子自身がその変化に戸惑った。
電話して声が聞きたい、遠くからでもあの人を見つめたい、あの人の視界に入っていたい…。
軽率な行動は必ず噂になり、すぐに広まる。
律子は相沢の邪魔になりたくはなかった。
約束のない電話を待ち侘び、ドアチャイムが鳴るのを待ち続けた。