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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第4章 第三話~砂漠の鷹~
首領が懐から何やら取り出した。懐剣の刃が眩しい陽光にギラリと不気味にきらめく。
少女が小さな悲鳴を上げ、露店の主人を初め、その場に居合わせた人々誰もが固唾を呑んだ。
その時、男が頭の被り物をおもむろに手で払いのけた。男の横顔が露わになり、その拍子に右頬が皆の眼に入った。何と、男の右頬には鋭い疵痕があった。赤く引きつれた傷の跡はあたかも火傷の跡のようにも見える。なまじ男の容貌が端整なだけに、その疵痕の悲惨さが余計に際立っている。
少女が小さな悲鳴を上げ、露店の主人を初め、その場に居合わせた人々誰もが固唾を呑んだ。
その時、男が頭の被り物をおもむろに手で払いのけた。男の横顔が露わになり、その拍子に右頬が皆の眼に入った。何と、男の右頬には鋭い疵痕があった。赤く引きつれた傷の跡はあたかも火傷の跡のようにも見える。なまじ男の容貌が端整なだけに、その疵痕の悲惨さが余計に際立っている。