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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第4章 第三話~砂漠の鷹~
修明は三十になるという。十七歳の翠華には下に更に数人の弟妹がいて、成長期にろくに食べる物も食べられなかった。そのせいで、痩せぎすで少女らしい膨らみもない翠華は実年齢よりいつも幼く見られがちだ。「錦花楼」の主人亭明禄は奴隷商人に連れられてきた翠華をひとめ見るなり、「上玉だから、磨けば光るだろう」と言った。実際、彼女は美少女だったけれど、翠華自身は自分の美しさを少しも判っていない。修明は最初は十二、三歳だと思ったらしく、翠華が十七歳だと言うと、たいそう愕いていた。