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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第5章 終章
―私、一体どうしたのかしら。
病の床にある母のために、昆論山の頂上まで宝寿草を採りにきて、父の形見だというペンダントを川に落としてしまった。それから、ペンダントを拾おうとして、自分まで誤って川に墜落したのだ。―そこまでは記憶している。
長い夢を見ていたような、あるいは、長い旅から帰ってきたような気がする。
夢の中で、美芳は美しい仙界の王と出逢った。光り輝く水晶の宮殿で彼の王と過ごしたひとときは、幻だったのだろうか。