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混沌の館
第15章 千夏
(早くこの場から逃げなければ)
回れ右をして歩みを早めようとした、その時、私は危うく人とぶつかりそうになった。
「あ、すみま・・・」
と言いかけて、私は目を見張った。私がぶつかりそうになった相手は、小柄の女性で、ピンクのワンピースに白いカーディガンを羽織っていた。
上品な顔立ちに栗色の長い髪は毛先を綺麗に巻いてあった。
「あ・・の、ちなちゃん、ですか?」
「はい、狸・・さんですね?初めまして~」
(じゃあ、さっきの高貴なお方は人違いか・・・)
私は、後ろを振り返ってみた。先ほどの高貴なお方は、若い女性とその娘と思われる親子と何やらにこやかに話している。娘と孫だろうか?既に私にとってはどうでも良い事だった。
「あの、ごめんなさい。わたし、間違って5号車ってメールしちゃって。4号車に乗ってたみたいです」
「あ、そうなんですね。そうかなと思ってキョロキョロしてたんです」
「じゃあ、行きましょうか?」
私たちはホームの階段を降り、在来線への改札口を抜けた。
千夏は、4時の新幹線で地元の戻らなければならい。私たちに与えられた時間は5時間しかない。
その日は、お台場まで移動して昼食をとり、周辺を散策する予定だった。何ともプラン不足ではあったが、いきなりホテルへ連れ込める様な関係ではない。
そもそも、千夏を直ぐにそういう対象として見られなかった。
回れ右をして歩みを早めようとした、その時、私は危うく人とぶつかりそうになった。
「あ、すみま・・・」
と言いかけて、私は目を見張った。私がぶつかりそうになった相手は、小柄の女性で、ピンクのワンピースに白いカーディガンを羽織っていた。
上品な顔立ちに栗色の長い髪は毛先を綺麗に巻いてあった。
「あ・・の、ちなちゃん、ですか?」
「はい、狸・・さんですね?初めまして~」
(じゃあ、さっきの高貴なお方は人違いか・・・)
私は、後ろを振り返ってみた。先ほどの高貴なお方は、若い女性とその娘と思われる親子と何やらにこやかに話している。娘と孫だろうか?既に私にとってはどうでも良い事だった。
「あの、ごめんなさい。わたし、間違って5号車ってメールしちゃって。4号車に乗ってたみたいです」
「あ、そうなんですね。そうかなと思ってキョロキョロしてたんです」
「じゃあ、行きましょうか?」
私たちはホームの階段を降り、在来線への改札口を抜けた。
千夏は、4時の新幹線で地元の戻らなければならい。私たちに与えられた時間は5時間しかない。
その日は、お台場まで移動して昼食をとり、周辺を散策する予定だった。何ともプラン不足ではあったが、いきなりホテルへ連れ込める様な関係ではない。
そもそも、千夏を直ぐにそういう対象として見られなかった。