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ぼくのゲイモデル体験記
第1章 バイト
「いいバイトがあるんだ」
 学生時代、ぼくに話しかけて来たのは行きつけの店のお客さんだった。
 聞いてみると、一日拘束でそこそこにいいお金が貰えるらしい。
「君なら見かけも体格もいいから大丈夫だと思うよ」
 文学青年気取りでお金がなかったので、早速、乗ってみることにした。
 決められた日に指定された場所に行く。
 マンションの一室だった。
 部屋は写真スタジオのようで、カメラやライト、ソファーやテーブルなんか小道具が並んでいる。
 ジーンズ姿の数人の男性がいて、一番年配らしい人が、
「牧くんだね。今日はよろしく」
「はい、よろしくお願いします」
 挨拶した時、
「おはようございます」
と、声をかけながら隣室からバスローブを来た若者が入って来た。
「ケーちゃん、こちらが今日のお相手の牧くん」
 年配の男性が彼にぼくを紹介した。
「牧です」
「今日はよろしくね。兄さんと呼んでくれたらいいよ」
 ケーちゃんと呼ばれた若者は、ぼくより少し年上らしい。
 横から年配の男性が、
「私が今日のカメラマン竹内です。じゃ、牧くんもシャワー浴びて来て!」
「は、はあ」
 ぼくが怪訝な顔をしていると、
「牧くん、聞いてなかった?今日はホモ雑誌の撮影で、ケーちゃんと絡んで貰うことになってるんだけど」
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