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ぼくのゲイモデル体験記
第4章 撮影完了
 衣服を脱いでも、下着の半透明パンティだけは身に着けておくように言われた。
 股間のモノがストレートに写るのはまずいらしく、薄い生地越しに見える分には官憲も多めに見てくれるとのこと。
 いずれにせよパンツ一枚になってしまうと吹っ切れて、ケーちゃんの愛撫にのけぞったり、頭を胸に抱きしめたり、ポルノ映画で女優がするような煽情的なポーズをとって画像作りに協力した。
 ケーちゃんも薄いパンツの上からぼくの股間を揉んだり、舐めたりのサービスショット。
 お返しに、ぼくもケーちゃんの大きめのモノを愛撫したりた。
「よっしゃ、パンツ脱がせて」
 竹内さんの指示でお互いのパンティを引き下げる。
 圧迫するものがなくなり、股間はずいぶん楽になった。
「勃起させられませんか?」
 カメラマン助手に言われるが、周囲にいっぱいスタッフがいて無理だった。
「OK、どうせ加工で消すから勃ってるていで撮ろう」
 竹内さんの一声で決まる。
 ぼくとケーちゃんはお互いのふにゃふにゃのモノをオーバーに頬張ったり、こすりあわせたりしていかにも興奮しているようなポーズをとる。
 撮影は3時半頃終了したが、マンションの大窓から見える夕日と二人のシルエットを撮りたいという竹内さんの希望でしばらく待ちとなった。
「もし、おれがゲイだったら、牧くんがタイプだったかも知れないな」
 待ち時間の間、腰にタオルを巻いたままソファに並んで掛けてケーちゃんが話しかけてきた。
「ぼくも、兄さんが相手ならOKだったでしょうね」
「ふたりともノンケでちょっと残念だね」
「ええ」
 もし、どちらかがゲイかバイだったら付き合うことになったかも、と思ったのを覚えている。
 夕日の見える時間になり、全裸の二人が肩を組んでそれを見つめるバックショットを何枚か撮る。
「お疲れ様でした」
 竹内さんの声がかかった時は、二人ともぐったりしていた。
 後に雑誌に掲載された写真を見たら、この夕日ショットだけは芸術的で、二人の体がずいぶんなまめかしい。
 本誌には短くぼくのことが紹介されていた。
「牧くんは作家志望の学生。『三島由紀夫先生の“薔薇刑”みたいな写真になればいいな』」
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