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想い人
第3章 それぞれの想い人

定時を報せるチャイムに、慌ててオフィスを飛び出した。
「美空!」
グッと引き寄せられる力強い腕。
「……っ透也……」
怒ったような透也の瞳。
わかってる。
逃げてたらダメだ。
「美空、今夜俺のために空けて?」
「……っ……」
そんな顔ズルイよ。
縋るような、甘えたような透也の瞳。
惚れた方の負けでしょ……。
”あの2人結婚するらしいよ”
社内に広がっている噂。
本当なのかな?
聞きたいのに聞けない。
「まままままたっ、また今度でいい⁉︎ 」
ダメっ! まだ別れ話をする心の準備が出来てないっ。
「美空っ」
「な…何?」
必死に作った笑顔で振り返る。
「今夜空いてる?」
「え?」
「今夜は俺に付き合え」
イラついた声色の透也に、少し怖くなった。
そりゃそうだよね。
私と別れなきゃ、蕾さんと先に進めないんだもん。
「う…うん……」
私は渋々頷いた。
「美空!」
グッと引き寄せられる力強い腕。
「……っ透也……」
怒ったような透也の瞳。
わかってる。
逃げてたらダメだ。
「美空、今夜俺のために空けて?」
「……っ……」
そんな顔ズルイよ。
縋るような、甘えたような透也の瞳。
惚れた方の負けでしょ……。
”あの2人結婚するらしいよ”
社内に広がっている噂。
本当なのかな?
聞きたいのに聞けない。
「まままままたっ、また今度でいい⁉︎ 」
ダメっ! まだ別れ話をする心の準備が出来てないっ。
「美空っ」
「な…何?」
必死に作った笑顔で振り返る。
「今夜空いてる?」
「え?」
「今夜は俺に付き合え」
イラついた声色の透也に、少し怖くなった。
そりゃそうだよね。
私と別れなきゃ、蕾さんと先に進めないんだもん。
「う…うん……」
私は渋々頷いた。

