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想い人
第4章 俺の想い人
「本当に本当にすみませんでした‼︎ 」
蕾さんの両親を前に立ち上がり、ガバッと頭を下げる。

蕾さんの両親と社食に来た俺は、全ての事情を話し謝った。


……続く沈黙。

頭を下げたまま、キツく目を閉じる。


そりゃ…許せないよな……。

蕾さんからの頼みとはいえ、結果的には俺も蕾さんの共犯で……この人達を騙してたんだから……。


「顔を上げて」
蕾さんのお母さんの優しい声に、恐る恐る顔を上げる。

「……知ってたよ」
蕾さんのお父さんがため息混じりに言った。

「他人のものにばかり手を出す……雅姫の悪い癖だ」


年齢も年齢だから、娘には早く落ち着いて欲しかった。

最高の相手を用意したから、その人と結婚して、娘のその悪い癖が直ればいいと思っていた。

蕾さんの両親はそう言って困ったように笑った。

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