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想い人
第4章 俺の想い人

早く美空の誤解を解かないと……。
エレベーターが混んでいたため、俺は階段を駆け上がっていた。
「透也くん」
「蕾さん……」
階段の途中で蕾さんが座り込んでいる。
「ごめんね? 高梨さんにあなたを盗られたくなかった」
泣き腫らした目で俺にそう訴える蕾さん。
「…………」
今の俺にはこの人の本心がわからない。
「私の事…嫌いになっちゃった?」
「……嫌いなら、彼氏のフリなんてしません」
正直に頷く訳にもいかず、言葉を濁す。
「じゃあ、私の事好き?」
─────…面倒臭い。
蕾さんの大人っぽさだと思っていた部分は、他人のものを欲しがる彼女の”計算高さ”だったのかもしれない。
俺がフリーだと興味はなくて、美空と付き合い始めたから途端に欲しくなったんだ。
エレベーターが混んでいたため、俺は階段を駆け上がっていた。
「透也くん」
「蕾さん……」
階段の途中で蕾さんが座り込んでいる。
「ごめんね? 高梨さんにあなたを盗られたくなかった」
泣き腫らした目で俺にそう訴える蕾さん。
「…………」
今の俺にはこの人の本心がわからない。
「私の事…嫌いになっちゃった?」
「……嫌いなら、彼氏のフリなんてしません」
正直に頷く訳にもいかず、言葉を濁す。
「じゃあ、私の事好き?」
─────…面倒臭い。
蕾さんの大人っぽさだと思っていた部分は、他人のものを欲しがる彼女の”計算高さ”だったのかもしれない。
俺がフリーだと興味はなくて、美空と付き合い始めたから途端に欲しくなったんだ。

