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第4章 義母との別れ
結婚して5年が経ち 義母から毎日の様に孫の催促を嫌味の様に
言われる日々が続いていたが 
時折義母が 可笑しな事を話し始めて来た
宅配便を受け取り部屋に戻ると 
鬼の様な形相でふしだらな嫁だ 浮気してと怒り出し
違うと言っても聞かず 夫と義父が食卓に座った時には 
何時もの笑顔で夫に接していた 
夫に話すと 少し考え来週病院へ連れて行こうと 
夫と義父が話合い翌週検査した処 認知症が進んでいると
その日を境に 義母の症状は坂道を転げる様に悪化していった 
ある日は佐恵子を泥棒扱いし 
警官が家に来た事も有った 不思議な事に孝之が居る時は 
平常に戻り受け答えもしっかりしている 
佐恵子は義母に振り回される毎日を過ごしていた 

ある朝義父が慌ただしく玄関を飛び出して行った 暫くすると 
義父に連れられ パジャマ姿の義母が裸足で帰って来た
夜の間に出て行ったらしい 
それから時折義母は夜 徘徊するように成り 
家の鍵は3重に作り直し 義母の徘徊に義父も振り回されていた 
義母の徘徊が無くなった様に思えたある朝 
義父の声が聞こえ夫婦で1階に降りていくと 
リビングの窓が開いている 

電話が鳴った 佐恵子が出ると警察からだった 
家族で霊安室に眠る義母と対面した 享年56歳 
義母を見た義父は手を握り絞め 口を噛みしめ涙を堪えていた 
そんな義父の姿を見た時佐恵子は 何故か義父たちの営みを思い出していた 
慌ただしく葬儀が終わり 義父は気落ちしたような毎日を過ごしていた
定年に成り属宅で週4日程 仕事に出かけていたが何処か寂しそうに見え 
その頃から佐恵子は
義父の喜ぶメニューをなるべく食卓へと 並べる様に成っていた
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