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リヴァイ兵長は選べない人
第3章 狂わせる人
ダンッダンッダンッ。
不躾なノックが三回鳴り響いた。
こんなノックをする人間をナイルは一人しか知らない。
椅子から降りて足早に扉の側に行く。
ダンッダンッ。
せっかちなノックにイラっとしながらナイルは扉を開けた。

「おい、来てやったぞ」

そこには案の定リヴァイが立っていた。
もう少し静かにノックを出来ないのかと言いたいのを堪え中に入れる。
リヴァイはつかつかと中に入るとドサっとソファーに腰掛けた。
ナイルも歩み寄り、隣に腰掛ける。

「来る途中やたら憲兵団のやつらにジロジロ見られた」
「そりゃお前がこっちの建物まで来る事は珍しいからな」

ナイルとの情事は数ヶ月に一度程度で、あまり頻繁には行われていなかった。
会う時もだいたいは宿で落ち合い、肌を重ねあっていた。
こんな関係になったのはいつからだろうか、ふとナイルの脳裏に過ぎった。

「で、お前とは何を話せばいいんだ?」

突然のリヴァイの切り出しにナイルも返答に些か困惑した。
何からどう切り出せばいいのか自分でもよく分からない。
そもそも、思ったよりリヴァイの来訪が早かったので、
考えも全く纏まっていなかったのだ。

「ナイル、聞いてんのか?」

顎を捕まれリヴァイの方に顔を向けられた。
普段あまり意識した事は無かったが、今日はやけに意識してしまう。
捕まれた手を軽く外してナイルは言った。
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