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リヴァイ兵長は選べない人
第5章 苛立ち
ダンッと大きな音でエルヴィンは執務机を両手で叩き付けた。
その揺れでインクは零れ落ち、書類は宙に舞った。

「…こっ…心にも無い事を……」

はーっと大きなため息を付くと、椅子に腰掛け背もたれに全身を預ける。
リヴァイの話も聞いてやらずに、一方的に罵声を浴びせた。
その大人気ない態度に、エルヴィンは自分自身に辟易していた。
確かに自分以外に四人の男と関係を持っていた事は想定外であった。
その事実にエルヴィンは思った以上にショックを受けていたのだった。
自分がリヴァイを特別に思う感情は一方通行だったのかと…
ここまで自分は気持ちに余裕が無くなっていたのかと思い知らされる。
胸を掻き毟られるような想いで天井を見つめて、
エルヴィンはまた一つ、大きなため息を付くのだった。
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