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リヴァイ兵長は選べない人
第6章 熱情
「俺は…もう…エルヴィンに必要とされなくなった」
「どういう意味だ?」
「俺は汚れているから…もう触れるのも嫌らしい」

ミケは悟った。
だからあんな冷水を自分の身体に浴びせて、鞭を打つような事をしていたのかと。
そして以前から薄々とは分かっていたが、確信した。
リヴァイはエルヴィンを愛していると…

「ミケ、お前はこんな気持ちになった事あるか…?
俺はそれを告げられてから喉元を締め上げられるように苦しいんだ。
どうして良いのか分からないんだ…」
「切ないか…?」
「分からない、この気持ちがそうなのか…」
「胸の奥が苦しいか…?」
「ああ、見えない熱い手で握りつぶされている気分だ…」
「熱いか…?」
「…身体は寒いが、喉は焼け付く様な熱さが込み上げてくる…」

ミケはリヴァイに問いながら後ろからタオルで髪を拭ってやっていた。
…やはりリヴァイの中にはエルヴィンが大きく存在している。
それをリヴァイ自身が、突き放された事によって気が付いてしまったんだろう。
髪を拭っているミケの手にリヴァイが手を乗せてきた。
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