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リヴァイ兵長は選べない人
第7章 素直になれなくて
「なあ、エルヴィン。昨日俺に言っただろ。お前にとって何人目の男だと…」

予想外の発言にエルヴィンの心臓は一瞬ビクリとした。
リヴァイは視線を斜め下に落として続けた。

「俺はお前が初めての男だ。それだけは信じてくれ」
「リヴァイ…」

エルヴィンは思わずリヴァイの手を握りしめた。
温もりが直で伝わってくる。
その温もりが心にも少しずつ注ぎ込まれて行く…

「ああ、信じているよ、リヴァイ…」
「良かった…信じてもらえて安心した」

そう言うとリヴァイはゆっくりと瞳を閉じた。
リヴァイの行き場を失っていた心に、微かに火が灯っていく。
エルヴィンはそのまま何も言わず、ずっと手を握りしめていた。
薬が効いてきているのだろうか?
暫くすると規則的な寝息が聞こえてきた。
握っていた手を布団の中にそっとしまう。
リヴァイの寝顔を見つめると、スーっと涙が一筋流れていった。
改めてエルヴィンは昨晩の自分のリヴァイへの発言を酷く後悔した。
例え彼が自分の物にならなくても、何かの形で償いたいと…
そっとリヴァイの髪の毛を撫でる。
そして涙を指先でスっと拭った。頬に手をやる。
起こさないように、エルヴィンは優しくリヴァイに唇を重ねた。

「おやすみ、リヴァイ…」

頬を軽く摺り寄せ、温もりを確かめるとエルヴィンは部屋を後にした。
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