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ネイル
第6章 別エンディング
冗談じゃない。
あんなとこにいたら、いつやられるか分かったもんじゃない。
俺は香織の住む山奥の家から逃げるように、車に乗り込んだ。
香織には、会社に顔を出さないといけないからと言ってあるが
もう戻るつもりはない…
どこをどう走ってきたのか分からないまま、帰路についた。
ふぅ…無事戻れたようだ。
明日は会社に顔出しして夜は隆一たちと落ち合う約束をしている。
何だかドッと疲れが出た。
俺はそのまま爆睡モードに入った。
…拓也…拓也…私を捨てて逃げるつもり…?
…拓也…許さない…絶対に…
ハッ!俺は悪夢にうなされて起きた。
シャツはびっしょりと汗をかいていた。
何だったんだ。アレは…
その時は気づいてなかったが指先のマニキュアが消えていた。
あれから数日が経過しようとしていた。
俺の記憶の中から香織の存在も夢のように消えていった。
消されたような…リセットされたような。
記憶の彼方に。
俺は久しぶりに隆一たちと飲む約束をしていた。
お〜い拓也!こっち、こっち!
隆一がグラスを片手に呼んでいた。
おお…久しぶり。
いつも同じメンバーに見慣れね女性の後ろ姿があった。
隆一…誰?この人。
ああ、拓也も久しぶりだっけ?
拓也くん!久しぶり!
それは真悠だった。
俺が学生時代に告ったまま、諦めたあの真悠だった。
ずいぶん久しぶりだね。どうしたの? 
拓也くんがいなくなったって隆一くんから連絡受けたから。
そうか…気にしてくれたの?
おまえら付き合ってなかったのかよ。
何々…おまえらの間の空気は…
俺はまんざらでもなかった。
2人の間には異質な空気が漂っていた。
俺が来るまえに3人でボトルを1本開けていた。
だ、大丈夫?真悠ちゃん。
…大丈夫…じゃなーい。送りなさいよ。責任とって
仕方ないなぁ。
すると真悠はそっと耳打ちしてきた…
…ね。ホテルいこッ。
え?なんてった?いま
俺たちはそのままホテルに入った。
ホテルに入ると真悠は…ねえ…拓也。覚えるわたしを
ああ、覚えてるさ。
私あの時言ったよね?
何を?
浮気したら殺すからね?って
私を見捨てないでねって
ひとりにしないでって!
俺はバックから真悠をひたすら激しく突きながら聞いていた。
何のこと?あ、あ、おお!気持ちいい…
拓也…聞いてんの…聞いてるの?!
振り返る真悠は鬼の形相で俺の指を掴み隠し持っていたペンチで
俺の指を…
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