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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第5章 二つめの恋花 恋紫陽花 其の壱
 それでも良い、食べた分だけは、この人の元気の素になってくれるだろうから―、お民はそう思い、片付けのために立ち上がる。
 空になった器を土間まで運び、手早く洗った。その間、兵助は腹這いになって、愉しみの食後の一服を吸っている。
「お前さん、煙草も止めるなとは言わないけれど、心ノ臓には良くないって玄庵先生が言ってるんだから、少しくらいは減らしてみたら」
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