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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第8章 三つめの恋花 桜いかだ 其の壱
 弥助を認めたおれんは、忽ちにして、花がパッと開いたような実に華やかな笑みを浮かべた。しかし、その笑顔は虚飾という混じりものを一切感じさせない、心からのものに見える。
「さ、どうぞ。そんな入り口に突っ立ってないで、中にお入り下さいまし」
 おれんに導かれ、弥助は奥の一角に陣取る。
「何に致しましょうか」
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