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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第8章 三つめの恋花 桜いかだ 其の壱
おれんに笑われたことで、余計に頭に血が上ってしまう自分を意識しつつ、弥助は小さく頷いて見せた。
だが、おれんの眼には、弥助はただ不機嫌なだけにしか映らないだろう。いつも、そうなのだ。けして人嫌いというわけではないのだけれど、自分の想いとか気持ちとかを表に出すことが苦手で、随分と損をしている。
今も、おれんにすれば、弥助は自分の方から店に来ておきながら、むっつりと口を引き結び、ひと言も喋らないのは何故か怪訝に思うに違いない。
だが、おれんの眼には、弥助はただ不機嫌なだけにしか映らないだろう。いつも、そうなのだ。けして人嫌いというわけではないのだけれど、自分の想いとか気持ちとかを表に出すことが苦手で、随分と損をしている。
今も、おれんにすれば、弥助は自分の方から店に来ておきながら、むっつりと口を引き結び、ひと言も喋らないのは何故か怪訝に思うに違いない。