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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第8章 三つめの恋花 桜いかだ 其の壱
「ちょっと待ってて下さいよ。今、つまみをお持ちしますから」
おれんはひと言断って、奥に取って返す。今度もすぐに現れ、丸盆には大根と人参、こんにゃくの金平と湯豆腐を小ぎれいな器に盛ったものを乗せていた。
「さ、何もありませんけど、召し上がって下さいな」
弥助は眼の前に並べられたつまみを交互に眺め、まず白い湯気を立てる湯豆腐をひと口、口に含んだ。
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