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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第8章 三つめの恋花 桜いかだ 其の壱
当のあたしは半年もの間しつこく追い回されて、迷惑をかけられっ放しだっていうのに。もうこれ以上つきまとわないでくれるっていうのなら、こちとらが金を積みたいくらいです」
 三笠屋の内儀が持参した金包というのは、恐らくは手切れ金だろう。おれんにしてみれば、確かにこれ以上の屈辱はないに相違ない。
「全っく、金のある奴らの考えることは、どうも解せねえ。どうして、あの若旦那にしろ、その母親にしろ、そうまで自分中心の考え方しかできないのかねえ」
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