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第9章 桜いかだ　其の弐　

「おい、その減らず口を何とかしねえか。お前の方こそ、そんなに言いたい放題に毒舌かましてちゃア、モテるのもモテねえぞ？　黙ってりゃア、それなりに見映えがするんだがな。口を開くと、どうにもいけねえや」
　弥助が顔をしかめると、美空は思いきりむくれた。
「おとっつぁんの方こそ失礼じゃない。年頃の娘に向かって、何て失礼なこと言うのよ？」
「ヘン、年頃ねえ。まだ尻の蒼い小娘のくせに、ませた口ききやがって」