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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第13章 山茶花~さざんか~ 其の参 
 千汐は仕方なく、夜鷹に戻った。 
 四年ぶりに見も知らぬ男に身体を委ねるのだと考えると、あまりのおぞましさに叫び出しそうになる。でも、どうせ耐えねばならないことだ。
 千汐は無駄だと知りつつも、夕闇が薄く漂い始めた頃、和泉橋のたもとに立った。
 この頃、ふと思うことがある。
 曽太郞は本当に来るのだろうか。ここで待っていれば、あの男はあたしに逢いにきてくれるのだろうか。
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