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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第13章 山茶花~さざんか~ 其の参
時には真平に饅頭を持ってきたり、上手い寿司があるからと手土産に置いてゆく。先に来たときは、蕎麦屋に真平を連れてゆき、蕎麦をご馳走してくれた。
「今日は鰻を持ってきたよ。これを食べると精がつくっていうからね。ま、真ちゃんにでも焼いて貰って、あんたもせいぜい元気をつけなよ」
おつなに相当の財力があるというのは、本当のようだった。さもなければ、これだけ来る度に豪勢な手土産は用意できないだろう。