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茅子(かやこ)の恋
第6章 女体レッスン
数分後、茅子はテーブルに戻った。そのタイミングを見計らったように、中年男性のウエイターがデザートとお茶のお代わりを持ってきた。

「ねえ、美味しそうだね!」
「うん…」
茅子が平静を装って航に声を掛けた。しかし航はウエイターの視線が気になっていた。その中年男性はサーブする傍ら、チラチラと茅子の胸元を見ていた。そしてウエイターが去ると、ふたりは無言でデザートを平らげた。

「じゃあ、お部屋に帰ろうか?」
「うん…」
テーブルでチェックを済ます間、ウエイターはずっと茅子を見ていた。しかしウエイターを見る航の視線に気が付くと、慌てて目を逸らした。

勘定を済ますと茅子は立ち上がり、遅れて立ち上がった航の腕を取った。そしてウエイターの目の前で航の唇にキスすると、茅子は腕を絡ませた。あっけにとられたウエイターに見せつけるように、ふたりは身体を密着し歩き始めた。店の外に出ると南国の空はどんよりした厚い雲が広がり、暗くなっていた。

「スコール来そうだね」
「うん、タクシー呼んでもらう?」
母子は腕を絡ませたままホテルの方角を眺めていた。歩いても10分ほどの距離だが、雨は今にも降りそうだった。

「航、走ろうか?」
「…うん!」
「じゃあ、競争!」
茅子は航が小学生のころ、よくふたりで駆けっこをしたことを思い出していた。

「お母さん、負けちゃうよ」
「えー、生意気。航のくせに!」
笑顔の茅子が手を伸ばし、航の鼻を掴んだ。そして絡ませた腕を解くと、持っていたバッグを航に手渡した。

「じゃあ、ハンデ頂戴!」
「仕方ないな…」
航も笑顔でバッグを受け取ると、茅子に軽口を叩いた。茅子はもう一度航の鼻を掴むと、ホテルに向いて走り出した。

「じゃあ1分、ハンデあげるよ!」
茅子の背中に航が声を掛けた。茅子は走りながら振り向き、航に手を振った。

「負けたらジュース、奢りね!」
無邪気に叫ぶ茅子の姿を見ながら、航は脚を上げウォーミングを始めた。彼女と別れてからずっと心が重かったが、航はそれが晴れた気がしていた。そしてだいたい1分過ぎたことを見計らうと、茅子のバッグを抱え走り始めた。
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