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茅子(かやこ)の恋
第6章 女体レッスン
茅子は全力で走っていた。航とお揃いのサンダルを履き、キャミドレスの裾の乱れも気にせず、一心に駆けていた。

母子ふたりの家庭では、航の小さいころから茅子は父親代わりでもあった。野球やサッカー、プロレスごっこやかけっこまで、茅子はずっと航の相手をしていた。そして運動好きで活発だった茅子の少女のころの性質は、航にも確実に引き継がれていた。茅子はどんなときも全身で航に向き合ってきた。

航が走り出した瞬間、真っ暗になった空から大粒の雨がポツポツと落ちてきた。航は茅子のバックを大事に抱え、100メートル以上前を走る母を追いかけていた。

茅子は後ろを振り返らず、ずっと前を見て走っていた。降り出した雨は強くなり、南国特有のスコールになっていた。そして冷たい雨粒が、火照った茅子の肉体をシャワーのように少しだけ冷ましてくれた。

あとすこしでホテルに辿り着くところで、航は茅子の背中がはっきり見えた。土砂降りのスコールにふたりはずぶ濡れになっていた。

航は母に声を掛けようと思った瞬間、ハッと驚いた。そして同時にあれだけ射精したにも関わらず、胸が昂まり股間が固く疼くのを感じた。

「やんっ!やっぱり追いつかれちゃった」
航に肩を掴まれ、茅子は無邪気に声を上げた。スコールは激しくふたりを濡らし、そして嘘のように上がり始めた。

「航、ずぶ濡れじゃん!」
茅子は振り返り、航に微笑んだ。まだ大人になりきらない華奢な肉体が、雨で張り付いた白いTシャツに浮かんでいた。そして茅子自身も雨に濡れたワンピースの下に、熟れつつある裸体がくっきりと浮かんでいた。

「お母さん、裸…」
一言だけ口を開くと航は茅子を抱きしめた。ふたりはキスを交わし、空が明るくなる少しの間、抱き合っていた。









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