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裸のヒロコ
第10章 一緒に寝ていい?
「あたし…ここで寝ていい?」
「いいけど…」
あたしの姿見て、お父さん恥ずかしそうに微笑んでた。それからもうひとつ、布団を敷いてくれた。そう、お母さんの布団。少し離して敷いてくれたけど、あたしがそれをくっつけた…。

「さあ、もう寝るか」
「うん…テレビ消すね」
あたしそう言って、お母さんの布団に寝たの。それから少しの間、お父さんが話をしてくれた。うん、いつもと同じあたしの子供の頃の話。あたし、身体ごとお父さんの方を向いてそれを聞いてた。

「お父さんの匂い…」
お父さんの話が途切れた時、あたし思わず口に出してた。それからあたしが身体を寄せたら、お父さん腕枕してくれた。男の人の匂い、久しぶりだった…もうひとりの「お父さん」思い出しちゃった。うん、あたしまた身体が熱くなってた…。

「ねえ、小さい頃のあたし可愛かった?」
「うん、お父さんが会社から帰るといつも飛びついてきたな」
あたし、お父さんに抱きついた…。

「こんな感じ?」
「その頃のヒロコは、もっと小さくて可愛かったけど…」
「可愛くなくなって、ごめんね!」
あたし、ふくれてみせた。お父さん、笑ってた…。

「そうだ、毎日チューしてたよね!」
「小学校になると、ヒロコが嫌がったけどな…」
「今は大丈夫だよ、お父さん!」
お父さん、また恥ずかしそうに微笑んでた…。

「あたしのファーストキス、お父さんにあげちゃったね」
「…子供の頃な」
「お父さん、こっち向いて!」
お父さん、素直に顔を向けてくれた。あたし、お父さんの口にキスしちゃった…。

「お父さん、もう一回抱っこ!」
「いくつだ、ヒロコ?」
「ハタチ!」
あたし、もう一度お父さんに抱きついた。お父さん、笑いながら抱いてくれたの。だから、またお父さんにキスしたの…。

「もっとチューしよ、パパ!」
「バカ…」
「イヤ、チューするの!」
無理やりお父さんの肩に手をまわして、あたしクチビルを押し付けたの。うん、ちゃんとお父さん受け止めたくれた…。

「ヒロコ…カレシは?」
「今?いないよ…」
お父さん、あたしのカレシのこと、聞きたかったみたい。あたし、抱き着いたままお父さんの顔、じっと見た。お父さん、天井を見たまま話を続けた。

「もう、誰かとキスしたのか?」
「…うん」
横顔でお父さん笑ってた。あたし、お父さんに覆いかぶさってキスしたの…。
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