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バカな男に私は夢中
第8章 繋想
ガタン..ガタン....
電車の中私たちは終始無言だった。
私が降りると斎藤もついてきた。
二人でホームのベンチに座ると、斎藤が自販機でホットココアを買ってきてくれた。
「ほい。寒いからな。」
「..ありがと。」
少し距離をあけて二人で並んでココアを飲む。
ふぅ..と白い息を吐き出すと、斎藤が先に口を開いた。
「百合ちゃん、何であそこおったん?」
「....」
私はココアの缶で手を温めながら転がす。
「斎藤くんが、見えて..あの..保健室の子と。」
「..見たんか。」
じっと前を見つめたままの斎藤に頷いた。
「それで、気づいたら、追いかけてて..それで二人がホテル入ってったから、私は引き返そうとしてて、なんか変な人に..」
「援交持ちかけられたんか。」
「援..交?あれ、援交だったの?」
私はまさか自分がニュースで話題になるような犯罪に、巻き込まれそうになってたことに今更気づいた。
「分かってへんかったん?」
驚いた様子の斎藤が私を見た。